2023年2月8日(水)

ニュースから学ぶ人口学

2022年12月27日

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 国連人口基金は、2022年11月15日に世界人口が80億人に達したと発表した。40億人になったのは1974年だったので、ほぼ半世紀で倍増したことになる。世界人口は今後も増加を続けて21世紀末には103億人を超えると予想されている。

(jokerpro/gettyimages)

 エネルギー資源や食料の供給が確保できるのかどうかが、重要な課題になるだろう。すでにその懸念は現実のものになっている。2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が引き金になって、エネルギー、食料、飼料価格が急騰して生活を脅かしているからだ。

 しかし世界の人口問題は人口の量そのものではなくなりつつあるように見える。なぜなら世界人口の増加は無限に続かないと予想されるようになったからだ。

 40億人を記録した1974年以来、11〜14年間隔で10億人ずつ増えてきた。それでも人口増加率は着実に低下してきている。増加率のピークだった1963年には年率2.2%を超えていた。一世代で2倍になる勢いで、まさに「人口爆発」の時代だった。それが70年代に入ると2%を割り込み、90年代に急速に低下して、ついに2019年には1%を下回るようになった。

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 3年ぶりに改訂され、2022年7月に発表された国連世界人口予測によれば、世界人口の増加率は今後も緩やかに低下していくとする。そして2086年には104億人でピークとなり、その後は減少に転じるとしている。2100年の推計人口は103億人と、ほぼ停滞的な状況となる模様だ。

 米国ワシントン大学保健指標・評価研究所の研究グループが2020年7月に『ランセット』誌に発表した予測は、世界人口のピークを2064年の97億人とし、国連の予測よりも、もっと早く、より低い水準でピークを迎え、2100年には87億人まで減少するとしている。出生率の低下がより順調に進むとみているためだ。


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