デジタル・ノマドの増加で高止まりするバリ島の不動産
バリ島各地の不動産屋で聞き込んだ話を総合すると海外脱出ロシア人の流入とデジタル・ノマドの移住によりヴィラ、アパート等の賃貸物件は高止まり状態という。(2022年12月時点で5万3000人のロシア人がバリ島に滞在していたという。
委細は『バリ島は海外脱出ロシア人の楽園なのか?』ご参照。またデジタル・ノマドの亡命ロシア人については『スターリン時代と変わらぬ、「絶望」のロシア兵運用法』ご参照。
ロシア人の移住者はウクライナ戦争の終結により将来減少するであろうが、内外からのデジタル・ノマドの短期~中長期の移住の流れは加速するというのが不動産業者の共通の認識だ。当然のことながら賃貸物件や土地のオーナーは先高を確信して売り惜しみしている。
ビザ取得代行、法律事務所、インターナショナル・スクールなどのインフラ
バリ島を歩いていて目立つのは不動産屋の他に外国人長期滞在者を対象とした各種サービスである。どこの町にもあるのがビザ取得手続の代理店と長期滞在者向け法律事務所である。しかも新規開業が目立つ。長期滞在のビザはビジネス・ビザ、退職者ビザ、投資家ビザ等々何種類もあり、年齢や資産や期間などで費用その他の条件が異なるので代理店や法律事務所に相談するのが早道のようだ。
また地元の人たちによると腕利きの代理店は関係当局機関とパイプがあるので多少手数料を余分に払っても早期に確実に必要なビザが下りるという。
会社設立、各種契約、不動産取引など外国人をアシストする法律事務所の看板も目立つ。
そしてバリ島には長期滞在者(foreign expats)の子女向けのインターナショナル・スクールが充実している。筆者が訪問したスクールだけでも7校もある。全部合わせると12~13校あるようだ。どのスクールも欧米はじめ海外の大学へ進学できる国際認証を取得している。そして授業はすべて英語で行われ、欧米人の資格を持った教師が多い。
例えばSスクールは幼稚園~高校まで300人弱の生徒。教師は30人、一クラスに二人の教師。宗教・道徳・集団活動などに相当の時間を割く公立学校と異なり英語・数学・理科に重点を置くカリキュラム(ケンブリッジ国際教育評価認定)。
Bスクールは屋根付き体育館、サッカー・ラグビーグランド、陸上トラック、水泳プールを備えた本格的キャンパス。生徒数300人超。幼稚園~高校まで。生徒の国籍は27カ国。1クラス10人以下、やはり主任教師と補助教師2人でクラスを担当している。