2024年6月16日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年2月6日

 経済政策、特にIT企業に対する締め付けも、12 月の中央経済作業会議で方針転換が決められたようである。騰訊控股(テンセント)やアリババ集団などIT企業は中国経済の成長の牽引車であったので、その締め付けが弱まることは中国経済にとり良いことである。

 また、習近平のスローガン「共同富裕」が言及されなくなり、経済政策から左翼的言辞が少なくなっていることも、中国経済にとり良いことであろう。習近平の経済軽視、政治重視の路線が修正されてきている。

国民への説明なき転換

 ゼロコロナ政策からの転換、経済政策の市場や民間の活力重視への政策変更については、基本的に良いことであろう。ただ、中国政府はなぜそうするのかの説明を尽くすべきである。政策の機敏な変更とその説明は同じくらい重要で、それを怠ることは新しい政策の効果を阻害すると考えられる。

 民主主義の国では、政策の転換については政府に説明責任があると多くの人々が考えており、政府に説明を求めるが、中国の共産党政権はそのような必要を感じていないようである。しかし、国民、少なくとも党員の理解を得ないと、新政策が空回りする可能性もある。

 習近平は中国共産党内での立場が強く、政策の修正も機敏に行いうるのは一つのメリットであると考えられるが、自分の立場の強さを頼って説明を省いたりしていると、しっぺ返しが来る可能性もあるのではないかと思う。

 注意しなければならない事は、中国の内外政策において、予測不可能に見えることが多いことはプラスよりもマイナスが大きいのではないかということである。

   
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