2023年2月2日(木)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2022年12月24日

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高口康太 (たかぐち・こうた)

ジャーナリスト

1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。中国・南開大学に留学後、ジャーナリストとして活躍。著書に『幸福な監視国家・中国』(共著、NHK出版)など多数。千葉大学客員准教授を兼務。

 「12月20日だけで3700万人が感染したとみられる。12月1日から20日の累計感染者数は推定2億4800万人、全人口の17.56%に相当する」

 これは中国のソーシャルメディアに出回っている、中国国家衛生健康委員会の会議メモの一節だ。非公開会議だが、参加者から流出したものとされる。

中国では、脱ゼロコロナ後「推定2億4800万人」もの感染爆発が取り沙汰されている(AP/アフロ)

 ほかにも、北京市や四川省では感染率が50%を超えた、感染者500万人突破の都市は北京市・成都市・武漢市・鄭州市・重慶市の5都市に達したなど、驚くべき数字が並ぶ。

 この文書の真偽については確認が取れていないが、筆者が話を聞いた中国在住者は「本物なのでは」と口をそろえる。それだけ周囲に感染者が多いためだ。

「感染者が多すぎて工場が止まりました」

「オフィスに出勤しているのは私一人。スタッフは全員在宅勤務に切り替えましたが、半数近くから感染したと報告がありました」

「閉店しているお店が目立ちます。感染者多数で従業員が確保できないのだとか」

「〝感染した?〟が最近の挨拶ですよ(笑)」

 この3年間、身の回りでコロナに感染した人はほとんどいなかったのに、この1カ月で状況が一変した。このすさまじい勢いならば2億4800万人が感染しているというのも、あながちウソではないと感じるのだという。

 さらに、中国人の〝ゆるさ〟も感染超爆発を信じる要因になっているという。

「在宅勤務OKと言われたけど、どうせいつかは感染するのだから気にせず出社している」

「コロナに感染したっぽいけど、仕事がたまっているので出勤してくるわ」

「熱が引いたので予定通り旅行に行きます。一回かかったから安心して旅行できる」

 中国の知人から届くメッセージやソーシャルメディアの書き込みを見ていると、こうしたノーガード戦法を貫く人も少なくない。もちろんすべての人が〝ゆるい〟わけではないが、そこら中に感染者が歩き回っているかと思えば、もはや予防しようがないとあきらめている人も多いようだ。


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