「ChatGPTによってAI 2.0時代が到来した」
中国ビジネス界が〝再度〟、AIに沸き返っている。〝再度〟というのは、中国AIブームはすでに幻滅期に突入していたためだ。
技術はあってもお金にならない
中国といえば、米国と並ぶAI先進国として知られる。スタンフォード大学人間中心AI研究所(HAI)の報告書「2022 AI Index Report」によると、AI関連の論文数では中国が全体の31.04%とトップ。欧州連合(EU)・英国の19.05%、米国の13.67%を引き離してのトップだ。
論文数は世界一を守っているが、ビジネスは様相が異なる。AIベンチャーの資金調達額を見ると、2022年は前年の半分以下に急落している。
グーグル・ディープマインド社のAI「AlphaGo」がプロ囲碁棋士を破ったのが2015年。これを契機として中国でAIブームが起き、膨大なベンチャーマネーがこの業界に流れ込んできた。その資金を元手にAIスタートアップは天才たちをかき集め、より高性能なAI開発に邁進し、米国と並ぶAI大国の座を手に入れた。
と、ここまでは良かったのだが、問題はその最先端のAIを生かすビジネスモデルがみつからない。中国には「AI四小龍」と呼ばれるAIスターアップがある。センスタイム(商湯科技)、メグビー(曠視科技)、クラウドウォーク(雲従科技)、イートゥー(依図科技)の4社だが、いずれも巨額の赤字を抱えている。