2024年2月21日(水)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2023年5月23日

 「お笑い芸人が人民解放軍を“バカ”にして活動停止に、所属事務所に約2億6000万円の罰金」

 最近、中国を騒がしているトップニュースだ。お笑い芸人のHouse(本名は李昊石)が5月13日、北京市内の劇場公演に出演した際のトークが問題視されたのだが、あれよあれよという間に騒ぎが拡大。謝罪と活動休止では鎮火せず、北京市文化旅行局は17日、所属事務所に罰金1335万3816元(約2億6000万円)の支払いと違法所得132万5381.6元(約2600万円)の没収を宣告した。

(iZhenya/loveshiba/gettyimages)

 また、事務所の登記地である上海市の文化旅行局はすべてのイベント停止を指示した。さらにさらに、警察も捜査を開始したと表明している。Houseは芸人生命が絶たれただけでは済まず、刑事罰に問われる可能性も高そうだ。

問題視された発言の内容は?

 所属事務所の笑果文化は2014年の創業後、順調に業績を伸ばしてきた。中国では近年、テレビ・ネット番組でも劇場でも「脱口秀」(スタンダップコメディ)の人気が急上昇している。

 調査企業「監研天下」によると、市場規模は17年の9800万元(約20億円)から21年には3億9100万元(約78億円)と、わずか4年で4倍弱にまで膨れあがった。このスタンダップコメディ業界をリードするトップ事務所が笑果文化だった。

 大手IT企業テンセントなどから8度にわたり資金を調達し、その評価額は40億元(約800億円)にまで上昇。上場間近と目されていたが、それもこの一件でだいなしとなってしまった。

 いや、その影響は笑果文化にとどまらないようだ。中国メディアの報道によると、他企業にもお笑い公演中止の動きが広がっているという。

 社会の注目が集まっている今は炎上リスクが高すぎるとの判断だろう。過去10年近くにわたって拡大が続いてきた、スタンダップコメディを中心とした中国お笑いブームの転換点ともなりかねない事件となった。

 ここまで影響が拡大したとなると、いったいどんな過激発言をしたのか気になるところ。お笑いの中に強烈な社会風刺を入れたことが発覚したのではないかなどと想像してしまうが、実際のトークを聞くと拍子抜けしてしまう。


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