2024年4月23日(火)

Wedge REPORT

2023年7月24日

 その業務は「アニマシオン」の名の下、保育・教育とはまた別の職種として認められている。従事者には公的資格があり、キャリアや職責別に、段階的に9種類の資格が整備されている。

 日本語に置き換えるなら、アニマシオンは「自由時間指導」、アニマトゥールは「自由時間指導員」とすると、読者の方にも理解していただきやすいのではないだろうか。日本に存在する活動としては、学童保育やサマーキャンプが近いと言える。

 活動内容は「子どもたちの自由時間」らしく、遊びやレジャー、スポーツが中心。学期中の平日の放課後には、宿題支援を行うこともある。

 筆者の子どもは幼稚園・小学校の頃、放課後と季節の学校休みの期間、アニマシオンに参加したことがある。そこでの活動はまさに「多様な学び」と言えるものだった。

 スポーツでは水泳、サッカー、卓球、バドミントン、アイススケート、陸上。文化系であれば朗読、演劇、図画、工作、詩作、フラワーアレンジメント、お菓子作り、映画やミュージアム見学を体験してきた。人狼ゲームやUNOといったカードゲーム・ボードゲームで遊んだ際には、子どもたちがカードを自作したり、ルールをアレンジする機会もあった。

 これらの活動は、その分野の経験者や得意とする指導員が「今日の活動メニュー」として計画し、子どもたちはその日の気分で自由に選ぶことができた。水泳など危険の伴う活動の場合は、保護者が文書で署名して、活動参加の事前許可を与える必要があった。許可書には、水泳指導員資格を持つスタッフの随行があると説明されていたため、親としても不安なくサインできたのを覚えている。

 活動メニューの中には「何もしない」というものもあり、その場合は、施設責任者の横のソファでゴロゴロしたり、指導員とおしゃべりをして過ごしていた。

自由時間の支援は福祉の公共事業

 興味深いのは、フランスではこのアニマシオンが、児童福祉の公共事業として法制化されていることだろう。

 フランスの国家法典の一つ「社会福祉・家族法典」では、「すべての未成年が親・法定後見人の住居以外に受け入れられる際は、公的機関の保護下に置かれる」と定められている。(L227条)。

 未成年の子が「親・法定後見人の住居以外で受け入れられる」ケースには、まず小学校など教育施設への通学がある。家庭・学校以外での未成年の子どもたちの時間には、放課後、休日、夏休みをはじめとした季節休みが挙げられる。家庭でも学校でもない場所にいる子どもたちを公的機関が保護する一環として、アニマシオンが位置付けられているのである。


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