また、現時点ではインフルエンサーやアフィリエイターなど、事業者から依頼されて広告等する側には直接の規制が及ばない。とはいえ、これらの者も事業者にステマ規制の違反が指摘された場合に、ステマ行為に加担したと批判されかねないため、慎重な対応にならざるを得ない。境界線があいまいだと、SNSでの商品の紹介などの表現行為が委縮する可能性もある。
なお、広告業者等で構成される業界団体の中には、会員であるインフルエンサーのマネジメント企業や広告業者等に対して、自主的なガイドラインを設け、企業からの働きかけがあれば原則としてステマと判断するなど、消費者庁の運用基準よりも厳しい規律を求めている場合もある。
まだまだ必要な消費者の情報判断力
今回の法制度の改正により、事業者によるステマが規制されることが明らかになった。もっとも、制度の開始直後ということもあり、規制にはいまだ不明瞭さが残る。
グレーゾーンは今後の法制度の運用により次第に解消されることが期待されるものの、少なくとも現時点では、まだまだ情報の受け手となる消費者側が口コミ等の情報の価値を慎重に判断する必要がありそうだ。