今年に入りガソリン価格の高騰が続いてきた。資源エネルギー庁が公表する全国のガソリンスタンドでの価格調査の結果によれば、9月4日時点で全国のガソリン小売平均価格186.5円まで上昇し、過去30年間で最も高くなった(図1)。
その後、ガソリンの卸売り価格は上昇したものの、ガソリン価格高騰への対応を求める社会からの要請は強く、政府は10月5日より再び「燃料油価格激変緩和補助金」を実施することとした(図2)。
これを見ると、補助金によりガソリンの最終平均小売価格は低下したが、補助金がない場合のガソリンの表面価格はほぼ200円超えとなっていたことが分かる。さらに政府は、ガソリン価格が一定以上となった場合にガソリン税の賦課を停止するトリガー条項の凍結解除、すなわちガソリン税の賦課を停止して、名目のガソリン価格を引き下げようとすることの検討にも入った。
なぜ、ガソリン価格が上昇するのか
このようにガソリン価格が上昇した理由には、第1にウクライナ侵攻によるロシアへの経済制裁でロシア産の石油が西側諸国に輸入されなくなったことがあげられる。すなわち供給側の要因である。