2024年5月17日(金)

都市vs地方 

2023年12月13日

 第2に円安により国際価格が上昇した原油の円建てでの価格がさらに上昇したことがあげられる。昨今の円安・ドル高の影響で、外国為替相場は1ドル($)=120円台から1$=150円近くまで変化した。仮に原油の国際価格が1$/1リットル(L)で変わらないとしても、原油の輸入価格は1L=120円が150円になることになる。

 このように、原油そのものの値上がりと、円安による支払価格の増加が、石油の輸入価格の上昇にダブルパンチで影響しているのである。

地域ごとにどれほど価格は違うのか

 全国平均のガソリン価格が高騰する中で、地域間のガソリン価格の格差も問題となっている。表1は、全国の各都道府県でのレギュラーガソリンの平均価格の最高値と最安値をそれぞれ10位ずつ示したものである。

 表1を見ると、ガソリン価格の高低と地域の都市化の度合いには明確な相関は見られないようであるが、ガソリン価格の高いベストテンには比較的地方の県が多く含まれる。

 その一方で、ガソリン価格の低い地域には政令指定都市を擁する神奈川、兵庫、北海道、愛知、宮城が含まれる。以下では、ガソリン価格の地域的な差異の要因について考えてみよう。

ガソリンスタンド設置に必要なコスト

 輸入された原油が円建てで支払われ、実際に消費者に届くまでには、冒頭で述べたガソリン税が上乗せされ、さらに小売りのためのコストがオンされることになる。

 表1では、比較的大都市を含む地域でのガソリン価格が低いように見受けられた。ここから考えられることは、都市地域では人口・自動車数が多く、ガソリンがある程度まとまった規模で需要されるということである。


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