2024年2月26日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年1月16日

 ウォールストリート・ジャーナル紙コラムニストのウィリアム・ガルストンが1月2日付け同紙掲載の論説‘Ukraine May Have to Accept a Cease-Fire’で、ウクライナは停戦を受け入れなければならないかもしれないが、良いニュースはそれが最終的に欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国への道を開くことである、と述べている。その論旨は、次の通り。

(puhimec/gettyimages)

 ウクライナの前線部隊は弾薬が尽きてきている。あるウクライナ軍高官は、ウクライナ軍は高い士気を保っているが、「動機だけで戦争には勝てない」として、彼らが陣地を保持し得るか疑問視した。

 ウクライナがもがく中、その同盟国は迷っている。米議会はウクライナへの米国の支援の継続についての行き詰まりを解決することなく休暇に入った。ハンガリーのオルバン首相はEUの520億ドルの援助パッケージに拒否権を行使した。

 ウクライナへの支援が再開されても、戦争の現実的な終結を考えることは不可欠である。ウクライナは2014年以降ロシアが奪った領土を取り返すと主張しているが、この目標が近いうちに達成されないことは明らかだ。

 昨年、ウクライナの反転攻勢は失敗した。ロシア経済は予想より回復力があり、ロシアはウクライナとその同盟国よりもずっと早く軍事生産を行っている。紛争は西側の防衛産業基盤が空洞化していることを明らかにした。

 ゼレンスキー大統領は最近ウクライナ軍が追加で50万人を動員したいと明らかにしたが、ロシアのマンパワーはウクライナの4倍であり、経済は9倍もある。

 最近の報道はプーチンが現在の戦闘ラインでの停戦に合意する準備があることを示唆している。これは、プーチンは撤退する意思はないがウクライナ全土を支配するとの目的を棚上げしたことを示す。

 西側の指導者は戦闘の終結についてプーチンが真剣かどうか、探るべきである。西側の世論が無期限に膠着した紛争を支持すると想定することは賢明ではない。停戦はロシアの領土要求を承認することを意味しない。

 それはウクライナをEUとNATO加盟国にし、ウクライナを西側にとどめ置く措置に扉を開けるだろう。その間、ロシアの凍結資産はウクライナ再建のために使われ得る。

 この取り決めはウクライナ人にとっても、プーチンにとっても苦いクスリであろう。しかしこれが欧州での永続する平和への唯一の現実的な道である。

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