2024年4月15日(月)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2024年3月12日

同じ過ちを繰り返しても気づかず

 東日本大震災を機に、漁獲圧力が減り、資源量が回復。しかし再び元どおりに減った例にマダラがあります。写真は、三陸で撮ったものですが、マダラかどうかよく見なければわからない稚魚が水揚げされていました。

震災後に三陸で水揚げされていたマダラの稚魚(筆者提供) 写真を拡大

 マダラはヒラメと同じく、1メートルにもなる大型魚です。小さな内に獲ってしまえば育ちません。これを「成長乱獲」と呼びます。

大西洋マダラは1メートルにもなる大型魚(筆者提供)

 マダラの資源量が、11年の震災前と、震災後で資源量が大きく変動し、再び減少していることが下のグラフで分かります。

マダラの太平洋系群での資源量推移は、震災前の水準に逆身戻りしている(水産研究・教育機構) 写真を拡大

 11年に震災の影響で漁獲が減った12年時2歳(水色)のマダラ資源が、成長して翌13年3歳(黄緑)になり、翌々年の14年に4歳(黄色)と急増していることが分かります。ヒラメの資源を表すグラフ同様に、中位、高位といった、2本の線は本来あるべき資源量を考えた場合、基準が低すぎて意味がなかったことが分かります。これは、ヒラメでも同じです。

 ところで、科学的根拠に基づく漁獲枠がなく、稚魚も容赦なく獲ってしまう現在の制度においては、残念ながら資源がサステナブル(持続可能)になることはありません。23年にはすでに震災前に戻ってしまい、中位から低位になっています。

 漁業先進国と異なり、戦争や天災が起こらないと、資源が回復せず、回復しても一時的で元の木阿弥になってしまう日本の水産資源管理制度。

 20年に施行される国際的に見て遜色がない資源管理を行うとする漁業法の改正を機に、真剣に資源をサステナブルにする制度を作る必要があるのではないでしょうか?

 必要なことは、国民一人ひとりが、消費者としても大きく関わっている水産資源管理の大問題に気づくことです。新型コロナのマスク不足などで分かった方は多いと思いますが、各国は自国への供給を優先します。日本の食糧自給、特に魚のサステナビリティは非常に重要なのです。

連載「日本の漁業 こうすれば復活できる」の記事はこちら

   
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