2024年12月22日(日)

一人暮らし、フリーランス 認知症「2025問題」に向き合う

2024年3月15日

認知症人口は、2025年には700万人になると言われている(厚労省「認知症高齢者の将来推計について」より、認知症施策 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)。この連載では、認知症を回避するためにできることはあるのか、また、認知症対策として今、どのようなことが行われているのかなどについて、様々な現場に足を運びながら見ていく。なお、筆者の立場は、「離れて住む実家の母の認知症を防ぐこと」。よって、対策を見ていく際には、「どうすれば自分以外の人にその対策を行ってもらうことができるのか」も合わせて考えていきたい。

リコード法の検査とは?

 前回(『生活習慣から改善を試みる、米国発の画期的なプログラムとは?~リコード法・前篇~』)から、アルツハイマー病の治療プログラム「リコード法」を紹介している。

 今回は、リコード法を治療に取り入れている新宿・ブレインケアクリニックの今野裕之先生に、リコード法の検査方法や治療プログラムの概要を伺いながら、認知症を回避するための行動のヒントを探っていく。

 まずは、リコード法の検査方法と治療概要を教えていただこう。

「リコード法は、原因に応じた生活習慣の改善や環境整備を実践していく治療プログラムです。生活習慣や環境は個々人によって違うので、プログラムはオーダーメイドになります。まずは現状を把握する検査を行い、その後、患者さん一人ひとりに合わせたプログラムを提案します」(今野先生、以下同)

 検査項目は多岐にわたっており、今野先生のクリニックでは血液・尿検査だけでも80にも及ぶとか。

「基本の検査で、認知機能検査、栄養解析、アルツハイマー病リスク遺伝子検査、自律神経バランス分析・末梢血液循環分析、体組成検査、認知症のリスクとなるうつ病やうつ状態の度合いをチェックする問診などを行います。さらに、食品のアレルギー検査や、重金属が排出できているかを調べる毛髪ミネラル検査、また、解毒能力の低下や有機溶剤やプラスチック製品への暴露が疑われる方には尿代謝や環境汚染物質のプロファイルを行います」

リコード法の検査の様子

 検査後は、どの項目がリコード法における目標値から乖離(かいり)しているかを調べてプログラムを組んでいく。

「プログラムの柱となるのは、食事、運動、睡眠、ストレス除去、脳トレなどの知的活動の5つです。具体的には、糖分を控えたバランスのよい食事、サプリメントによる栄養素の補充、定期的な運動、睡眠の質の改善、ストレスマネジメント、水銀やカビ毒素など有害物質の除去などをさまざまな手段で行います。

 実践していく中で、適宜、治療効果を確認して、プログラムを最適化していく必要もあるので、私たちが定期的にデータをチェックして、より効果的な治療ができるようにサポートさせていただいています」

 今野先生のクリニックでは、2016年の開院以来、およそ200人に対してリコード法に基づく治療を行い、多くの人において認知機能、もしくは不安やうつ、意欲低下などの周辺症状の改善が見られたという。

 治療で行う場合は個々にオリジナルのプログラムが組まれるが、認知症を回避するために私たちが日々の生活に取り入れられる行動もあるとか。

「食事、運動、睡眠、ストレス除去、脳トレなどの知的活動の5つのうち、もっとも重要なのが食事で、リコード法では、ケトフレックス12/3というオリジナルの考え方を取り入れています」

「ケトフレックス12/3」については、とても参考になるものだったので、次回詳しく紹介するとして、その他の「運動」「睡眠」「ストレスマネジメント(ストレス除去)」「脳トレなど知的活動」については、何を行えばいいのだろうか?


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