2024年11月19日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年3月18日

 2月15日付けウォールストリート・ジャーナル紙の2月15日付け社説‘America’s Space War Vulnerability’は、米国の宇宙戦争における脆弱性に関するマイク・ターナー米下院情報委員会委員長の脅威の警告は、無関心な米国の政府や議会の関係者を覚醒させるであろう、と指摘している。要旨は次の通り。

(3DSculptor/gettyimages)

 下院情報委員会のマイク・ターナー委員長は、新たな安全保障の脅威について警告した。米国は軍事面で、また祖国防衛の面で、脆弱に向かって夢遊病者のようにふらふら歩いている、政治指導者達はこの不安な事実を国民にきちんと説明する必要がある、と彼は述べた。

 バイデン政権関係者がメディアにリークしたところによれば、その脅威は、米国の人工衛星を核爆発の標的にするロシアの計画に関することだ。衛星は、国防だけでなく、現代の米国市民の生活や商業のほぼあらゆる分野で不可欠だ。これらを破壊されれば、米国は通信不能に陥り、計り知れない損害を被ることになる。

 宇宙における軍事的脅威は現実のもので、しかも増大している。ロシアと中国は宇宙兵器の開発に必死に取り組んでいる。国防総省当局者は昨年議会に対し、「衛星センサーを無能化する地上配備型レーザーをロシアは配備しており、全地球測位システム(GPS)、衛星間通信、レーダー、宇宙対応の誘導兵器などに対抗できる広範な地上配備型電子戦システムも保有している」ことを明らかにした。

 同じ当局者は昨年、中国は「米国の衛星を妨害し、損傷し、破壊することを目的とする電子戦システム、指向性エネルギー兵器、直接上昇の対衛星攻撃ミサイルなど、地上配置型対宇宙兵器を既に配備している」と議会で証言した。


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