2月14日付のワシントン・ポスト紙は、宇宙空間における軍備拡張競争の中で、ロシアは威嚇攻撃を開始したとするデイヴィッド・イグネイシャスの記事を掲載している。
ウクライナ戦争は、スターリンクその他の宇宙空間に広がる通信諜報網の軍事利用の有用性を実証した。現在、ロシアは新たな宇宙戦争技術を駆使して、敵の通信諜報網を無力化する兵器の開発を進めている。
ロシアの宇宙兵器技術開発は、2月14日に下院情報委員長のマイケル・ターナーが繰り返し述べた通り、 「深刻な国家安全保障上の脅威」となっている。ロシアの現在の能力は米国に差し迫った脅威ではないと言う者もいるが、ターナー委員長がロシアの攻撃計画に焦点を当てて指摘した結果、ウクライナへの追加の軍事支援の議会承認は加速する可能性がある。ロシアに新たな宇宙戦技術の開発を急ぐ契機を与えたのは、2022年のロシアによる猛攻撃の開始の初期段階において、キーウが生き残る上で宇宙システムに負うとこ ろが大きかったことにあるようだ。
スターリンク等の宇宙システムにより、ウクライナは電子戦管理システムを構築することができた。商用衛星群は、光学センサー、熱センサー等を駆使して情報を収集できる。その情報は人工知能によって分析され、破壊効果の高い標的を特定し、その標的情報はスターリンク等のブロードバンド回線を通じて前線のウクライナ軍に送信されている。
ロシアは、宇宙空間において指向性のあるエネルギー兵器や電磁パルスを使用し、商業ネ ットワークや軍事ネットワークを無力化する計画を有している可能性がある。このロシアのシステムは、例えば、スターリンクをはじめとするさまざまな企業がデータを地上に送信する前に衛星間で信号を交換する「メッシュ・ネットワーク」を攻撃してくる可能性もある。