2024年12月23日(月)

いま、なぜ武士道なのか

2024年5月9日

 2024年のゴールデンウィークも終わり、リフレッシュした頭でリスキリングに励みたい、学びたい意欲が高まったビジネスパーソンは多いのではないだろうか。
 鉄は熱いうちに打てと言うように、ビジネス書を購入したら意欲が高い間に読んでしまおう。せっかく読むなら、しっかりと自身の糧としたいものだが、どのようにして読むのがよいのだろうか。
 学びを得るためのポイントは、“腹”にあると言う。『いま、なぜ武士道なのか―現代に活かす『葉隠』100訓』の中から、学びの効果を高める読書の心得を紹介していく。第2回は2009年12月18日に掲載した『せっかく読むなら本は腹で読め』を再掲する。
(sot/gettyimages)

 大型書店のビジネス書コーナーへ行くと、たくさんのビジネスパーソンが群がっている。みな、自分のため、会社のために少しでもスキルを磨こうと必死である。
しかし、魂の入らない学問は身に付かない、と『葉隠』は言う。本を読むにも、乱読ではなく知識獲得のための有効な読書にするにはどうすればよいか。そのポイントは“腹”である。

  書物をたくさん読むことを多読という。考えながらゆっくり読むことを熟読といい、片っ端から読むことを乱読という。また声を出して読むことを音読といい、声を出さないのを黙読という。本を読むといってもいろいろあるのである。それでは、どういう読み方がよいか『葉隠』を見よう。

物を読むは、腹にて読みたるがよし。口にて読めば声が続かずと式部に指南なり。

本を読むには、腹で読むのがよい。口に出して読むと声が続かない、と式部に教えられた。

 「腹にて読みたるがよし」とはうまい表現をしたものである。腹というものは人間の体の中心部にあり、血液が一番多く滞留しているところである。そこの管理が健康法には極めて大切である。一切の消化器官が内蔵されており、少し冷やしただけでも腹痛が起きる。東洋式健康法は腹の管理に重点がおかれ、その主なものは腹式呼吸である。座禅も一種の腹式健康呼吸法で、禅僧が比較的長命なのも、この健康法のおかげである。ヨーガとか漢方医学は、この呼吸方法が基礎になっている。


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