2024年11月25日(月)

医療を変える「現場の力」

2013年12月12日

 認知症施策に関しては、さらなる検討と議論が重ねられ、2012年に、国は「認知症施策推進5ヵ年計画」(オレンジプラン)を発表。その中に、英国での取り組みを参考にした「認知症初期集中支援チーム」というものが登場するに至った。

 2013年度からは、前年度に研究事業をおこなった機関のある東京都世田谷区や宮城県仙台市、福井県敦賀市を含む、全国14市区町で「認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業」として展開されている。

インフォーマルを含めた
地域資源につなぐ支援

 モデル事業として定められた認知症初期集中支援チームのメンバーは、以下の3名以上となっている。

○保健師や看護師、作業療法士、精神保健福祉士、介護福祉士など、医療保健福祉に関する国家資格を持ち、なおかつ認知症ケアの実務経験が3年以上あり、「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、試験に合格した専門職2名以上。
○日本老年精神学会か日本認知症学会の定める専門医、もしくは認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験のある医師のいずれかに該当し、かつ、認知症の確定診断を行うことのできる認知症サポート医である医師(嘱託可)1名。

 桜新町アーバンクリニックを中心に活動しているチームは、桜新町アーバンクリニックの訪問看護師の片山さんと、作業療法士の村島久美子さん、精神科医の上野さんのほか、院長の遠矢純一郎さんと精神科医の新川祐利さん、外来看護師もメンバーである。そして、ケースを担当する地域包括支援センターの担当者もチーム員として活動をしている。

月1回開催されている認知症初期集中支援チームのチーム員会議

 月1回程度開催されるチーム員会議には、チームで実際に動いているメンバーに加え、区の地域福祉部 介護予防・地域支援課と、総合支所の保健福祉課の保健師が調整役として出席。ここでもし、支援がとても困難な事例などがあれば、区直轄の総合支所が地域包括支援センターの後方支援も行う。こうすることで、地域包括支援センターのメイン業務である窓口業務が滞らないようにという意図がある。


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