こうした実体験があると、1年生になって足し算を習ったときに遊びの経験を糧にして学習を積み重ねていけます。就学してからも家庭で繰り返し、時間をかけてほしい数の勉強の基本です。1年生で100円玉まで使えるようになったら、学校ではかなり算数ができる子になっているはずです。
家にあるものをご家庭なりに工夫して
この遊びのいいところは、実益がありながらとても安全な点です。お金のやり取りで間違っても子どもが怒られることはありませんし、誰にも迷惑がかかりません。
そして、実際のお金を使うことで、物とお金の交換で世の中が動いていることや、お金が足りないと欲しくても買えないものがあること、逆にお金があっても物がなければ買えないことなどが実感でき社会勉強にもなります。
実物を使うからこそ数の感覚が磨かれるのですが、硬貨を用いることに抵抗がある場合は、おはじきで代用できます。青は1円、赤は5円、白は10円といったルールを決めればいいでしょう。お菓子を鉛筆や消しゴムなどの実用品に替える手もあります。
ただ、子どものテンションが上がる物を使うほうが効果が発揮されるのは間違いありません。「これで何が買えるかな?」「いくらいるのかな?」と、子どもが自分事として数字に向き合う機会を増やせるからです。実物遊びの意味はそこにあります。
ご家庭の方針に合わせて、工夫していっていただければと思います。