「1個」と「5円」の違いがわからないワケ
お菓子1個5円として、子どもが1個買うとします。「1個」が「5円」。まずこれが、小さな子どもには最初よくわかりません。「1」が「5」と同じってどういうことだろう? と不思議に感じるのです。
そこで一番はじめは、お菓子を1個置いて、その下に1円玉を5個並べます。2個買うときは、その下にまた1円玉を5個並べます。
こうやっていくと、「1」はお菓子の個数で、「5」は金額だとわかり、2つの数字の区別がついていきます。
私たち大人は「1個が5円」ということがわからないという地点に戻ることはできません。だから、しつこいようですが、子どもがわかっているように見えても、手をかけ時間をかける必要があるのです。
小学校に上がるまでに、「10円を出して、8円の物を買ったら、2円のおつりが返ってくる」というぐらいまで理解できるようになれば万々歳です。
最初は子どもがわかっていない様子でも、「これ8円だから、10円ちょうだい。2円おつりね」と、形からのスタートでいいでしょう。しかし、「10円を出して、8円って言われたら、2円返ってきた」という経験を繰り返すうち、「10円と8円と2円」の関係がセットで把握できるようになります。つまり、10の補数の勉強をしていることになります。
さらに、「10から8を引いて2」というのは引き算の勉強です。それと同時に、「8と2を足したら10」という足し算の勉強もしています。