2024年10月10日(木)

「最後の暗黒大陸」物流の〝今〟

2024年8月7日

 下図は、JR貨物の機関車数の推移を、上図と同様に総貨物量との対比で示したものである。機関車数も貨物駅数と同様、貨物量の減少よりも若干緩やかではあるものの、ほぼ平行して減少してきたことが読み取れる。

計画的に事業を縮小

 そして下図は、貨物駅職員や機関車運転手を中心とする現業部門職員数を、同じく総貨物量との対比で示したものであるが、現業部門職員数も総貨物量よりも激しく減少していることが見受けられる。

 さらに下図は、コンテナ用貨車数と車扱用貨車数の合計である総貨車数を、他の3件のグラフ同様に総貨物量との対比で示したものであるが、現業部門職員数と同様に総貨車数も、総貨物量を上回る勢いで減少していることが分かる。

 ここまでに取り上げたデータにもとづけば、1987年4月1日の発足以来JR貨物は、計画的に事業を縮小してきたと考えるべきではなかろうか。

コンテナ輸送の実態

 さて先に、鉄道貨物輸送に関する統計数値のほとんどはコンテナ貨物と車扱貨物に仕分けられていないと申し上げたが、実は貨車数はコンテナ貨物用と車扱貨物用に仕分けられているのである。

 下の図9はコンテナ用貨車数の推移をコンテナ貨物輸送量の推移との対比で示したグラフであり、図10は車扱用貨車数の推移を車扱貨物輸送量との対比で示したグラフである。

 一見すると、車扱用貨車数が車扱貨物量の激減と並行して大きく削減されているのに対し、コンテナ用貨車数はそれほど削減されていないように見えるかも知れない。しかし、図9を改めて良く見ると、コンテナ貨物の輸送量が35年間、漸増傾向にあるのに対して、コンテナ用貨車数は漸減傾向にあり、計画的に必要最低限に抑えられていると考えるのが妥当ではなかろうか。


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