2024年11月27日(水)

Wedge REPORT

2014年2月20日

 どんなに実績がある政治家、起業家も、1週間、いや、2週間かそれ以上、自分は愚かだと反省します。世の中をもっと素晴らしく平等なものにするためにとてつもない努力を繰り返してきた他の参加者の顔を思い出し、自分の努力は薄っぺらいものであったとさえ思います。しかし、これはある意味、必然的なリアクションと言えるかもしれません。なぜなら、毎年ダボスへ出向き、謙虚な気持ちになることで、世界により良い風を吹かすためのキャタリスト(媒介者)にはなってやろうじゃないかと、決意を改めることができるからです。

 日本人はともすれば、国内のことばかりを優先させて、世界的な集まりに参加することが遅れてしまいがちです。それは、TPPの例でも明らかです。ところが日本を一歩でも外に出た世界では、重要な問題について、豊富な経験を有する外部の意見を取り入れながらより良い解決を導くという方法論が一般的です。マルチステークホルダー(各利害関係者)が、効率的に、効果的に問題を解決するために議論する。その経験は、日本を牽引していくリーダーたちにとって、重要なことに違いありません。

 しかし、もっとも重要なことは、ダボス会議の存在意義を学んだ一人一人の日本人たちが、各々の意識と裁量に応じて、自らのコミュニティ、見聞を広げる努力を開始すること、継続することに他なりません。ダボスは遠い世界の夢ではなく、模範とすべきこの世界でもっとも努力している人々の姿なのです。

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