2025年3月14日(金)

トランプ2.0

2025年1月18日

 しかし、「New York Times」さえも1月16日付け紙面で、「第一次トランプ政権時と比べ、今回は政権内に彼ほどのパワーを発揮できる人物はおらず、大統領に対する影響力もより大きなものになる」と論評しているように、「副首席補佐官」としてのミラー氏はすでに特別の存在とみられており、今後の言動がさらに注目を集めることになろう。

トランプはレーガン政権を参考にしたのか

 なお、「副首席補佐官」のタイトルを保持したまま、「首席補佐官」以上に強大な影響力を誇った過去のケースとしては、レーガン政権当時のマイケル・ディーバー氏がいる。当時の「首席補佐官」は、ベテランで後に財務長官を詰めたジェームズ・ベーカー氏だったが、40歳前半の若手ながら大統領の最側近としてディーバー氏が事実上、“大統領の耳”として、内外政策の立案、遂行の中心的人物となった。

 トランプ氏はこれまで、20世紀後半に絶大な人気を誇ったレーガン大統領を尊敬し、当時の政権から多くを学んできたといわれるだけに、今回、ミラー氏の起用の際のモデルにした可能性も否定できない。

 ただ、ディーバー氏がミラー氏と大きく異なる点があったとすれば、常道から大きく逸脱した「illiberalism」の旗振り役ではなかったことだろう。

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