2025年4月11日(金)

モノ語り。

2025年3月1日

本社屋は国に登録有形文化財

 カクキューの八丁味噌で特にお勧めしたいのが、この地の在来種である「矢作大豆」で造った味噌です。

「八丁味噌のパウダー」「八丁味噌」(上記写真は、この味噌を使用)「矢作大豆八丁味噌」

 「昔は、この大豆で味噌を造っていたことは分かっていたのですが、途絶えてしまった品種だと思っていました。あるきっかけでジーンバンクに残されていることを知り、復活させようと、岡崎の農家さんに栽培をお願いしました。強い種ではないので栽培するのは大変でしたが、2013年に味噌を造ることができました。ただ、木桶一杯分に使用するだけの収穫量がない年は、造ることができません」

 しかも、この矢作大豆を使った八丁味噌は5年も熟成させているのです。ぜひカクキュー本社を訪れて買ってみて頂きたいです。国の登録有形文化財に登録されている本社屋も素晴らしいです。味噌蔵も見学させてもらうことができるほか、レストランで味噌煮込みうどんを食べることもできます。

 その際、もう一つ訪れて頂きたい場所があります。カクキューの前には旧東海道がありますが、道を挟んで向かいにあるのが、同じく江戸時代から続く「まるや八丁味噌」です。「ライバルでもあり、同志でもあります。伝統的製法を守っている点でも同じです」(早川さん)とのこと。それでもやはり味は違うそうなので、ぜひ食べ比べてみて頂きたいと思います。

合資会社八丁味噌(屋号:カクキュー) 愛知県岡崎市八丁町69番地 0564-21-0151
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Wedge 2025年3月号より
食料危機の正体 日本の農業はもっと強くできる
食料危機の正体 日本の農業はもっと強くできる

ロシアのウクライナ侵攻により、世界的に「食料危機」が懸念されるようになった。それに呼応するように、日本政府や農林水産省、JA農協などは食料危機をあおり、多くの国民は戸惑っている。確かに、担い手の減少や農産物の価格高騰、肥料・飼料の不足など、日本の農業には課題が山積みだ。しかし、新しい技術や発想で未来を切り拓こうという動きもある。日本の農業を強化し、真の「食料安全保障」を実現する方法を提示する。


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