本社屋は国に登録有形文化財
カクキューの八丁味噌で特にお勧めしたいのが、この地の在来種である「矢作大豆」で造った味噌です。
「昔は、この大豆で味噌を造っていたことは分かっていたのですが、途絶えてしまった品種だと思っていました。あるきっかけでジーンバンクに残されていることを知り、復活させようと、岡崎の農家さんに栽培をお願いしました。強い種ではないので栽培するのは大変でしたが、2013年に味噌を造ることができました。ただ、木桶一杯分に使用するだけの収穫量がない年は、造ることができません」
しかも、この矢作大豆を使った八丁味噌は5年も熟成させているのです。ぜひカクキュー本社を訪れて買ってみて頂きたいです。国の登録有形文化財に登録されている本社屋も素晴らしいです。味噌蔵も見学させてもらうことができるほか、レストランで味噌煮込みうどんを食べることもできます。
その際、もう一つ訪れて頂きたい場所があります。カクキューの前には旧東海道がありますが、道を挟んで向かいにあるのが、同じく江戸時代から続く「まるや八丁味噌」です。「ライバルでもあり、同志でもあります。伝統的製法を守っている点でも同じです」(早川さん)とのこと。それでもやはり味は違うそうなので、ぜひ食べ比べてみて頂きたいと思います。