2025年4月14日(月)

古希バックパッカー海外放浪記

2025年3月30日

世界有数のIT企業の最先端で頑張るIT技術者の新卒女子

 11月25日。コーラムのホステル。6月に大学卒業してバンガロールのIT企業に就職したばかりの“フレッシュウーマン”と会った。“クアルコム”という企業名を聞いても先天性ITリテラシー欠乏症の古希爺にはピンとこなかった。スマホでチェックしたらクアルコムは米国の半導体メーカーでモバイル通信技術や半導体の設計開発をしている巨大企業のようだ。

 彼女によるとクアルコムはバンガロールに建設した研究開発センターに開発部門を集約して製造は台湾などのメーカーに委託しているという。バンガロールの研究開発センターには現在2000人のインド人IT技術者が雇用されているという。バンガロールがインドのシリコンバレーと呼ばれる由縁を実感した。

美容学校の生徒の半数以上はアラサー女性?

ポンディシェリーの美容師養成学校の入口。小さな建物の中は熱気で溢れていた

 12月14日。旧フランス領のポンディシェリーのバス通り沿いの美容師養成学校。看板を見ると政府から補助金が出ているようだ。女性の就業促進政策の一環だろう。職員に話を聞くと60人のクラスで午前・午後の2部制。現在数百人が順番待ちしているほど人気らしい。農村部や近隣の都市から数時間かけて通う生徒も多いという。

 3カ月で美容師(ヘアー&メーク&ネイル)になれる。授業料は15000ルピー(約2万8000円)。生徒の半数以上は30歳以上とのこと。インドでは十代で結婚する女性が多く、高校卒業資格もなく手に職がないため子育てが一段落して多少金銭的余裕ができた女性が殺到しているようだ。
養成学校を卒業したらいわゆる“グラミン銀行”から資金を借りて開業するのだろうか。こうした職業訓練が広がればインド女性の就業機会が増え経済成長が加速するであろう。

インドは空前の大旅行ブーム、旅行会社はウハウハ

 12月4日。バルカーラのホステルでコチ在住の旅行会社勤務のサンギータ23歳と歓談。添乗員として桜の季節に3回訪日したと切り出した。インドは大旅行ブームが続いていると熱弁。確かに訪日インド人観光客は、2014年8万7967人⇒2024年23万3000人に増加した。日本ツアーは8~9泊で20万ルピー(≒35万円)だが2025年の桜の季節は完売。日本以外は欧州が人気という。問題はヒンズー、イスラムの食事上の制限。そのためインドレストラン、インド系ホテルを利用することが多いと。アジアでは食事上の心配がないマレーシア、シンガポールが人気でタイ、バリ島が続くという。

 所得の向上で国内旅行は爆発的に増えてシーズンには高級ホテルは予約が取れず、団体旅行のバスや列車を抑えるのも大変らしい。確かに今回の旅ではどこのホステルもインド人で溢れていた。ハンピのホテルのオーナーが「20年前は外人客が8~9割だったが、ここ数年はインド人客だけで予約が埋まってしまう」と語っていた。筆者は1970年から始まった国鉄(現在のJR)のディスカバー・ジャパンのキャンペーンを思い出した。当時日本は国内旅行が大ブームで新婚旅行は宮崎が人気だった。

 サンギータは旅行会社で海外留学も手配している。カナダ、米国、英国、豪州が人気という。アルバイトしながら学べるのでミドルクラスの子弟でも留学可能なのでケララ州のミドルクラス以上の家庭では10軒で8人の留学生がいる状況と。インドのGDP世界第四位が目前に迫っているようだ。

インド国営テレビの取材クルー。左側がディレクター、カメラマン、古希ジ ジイ。 ケララ州の観光PRの番組を制作中。古希ジジイが海を背景にバルコニーでコチの印象を語る姿を撮影した

以上 次回に続く

Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る