2月18日付Diplomat誌で、J. Randy Forbes米下院軍事委員会、海軍力・投射戦力小委員会委員長は、強固な日米同盟は、今後10年の東アジアと中国との関係に大きな影響を与えるので、日米は協力して中国に対抗すべきである、と述べています。
すなわち、中国は尖閣諸島をはじめ、日本の領海、領空侵犯を拡大している。
米国は尖閣問題に介入すべきでないという向きもあるが、問題は、海洋の権利や空域ではなく、米国が第二次世界大戦後アジアで発展、維持させてきた一連の規則である。
東アジアで、米中両国が平和的競争関係を保つためには、規則に基づく政策決定を中国に促すような強固な日米関係が必要である。
日本が防衛費を増やし、しかも列島の利害を守るための海域の管理、機動力、情報・管理・偵察といった適切な能力を高めようとしていることは称賛に値する。最近の国家安全保障会議の設置と併せ、日本は、北東アジアの安定の錨の役割を果たそうとしている。
中国の接近阻止・領域拒否(A2AD)能力の充実に対応するためには、米国は新しい考えと技術で、アジア太平洋地域の防衛体制を強化する必要がある。
まず、紛争状況の中で米軍をより効果的に運用できるように、エアシーバトルのような新しいドクトリンと運用の概念が必要である。
次に、潜水艦、水陸両用能力、戦力投射体制といったシステムや、誘導兵器の発展に見合った新世代の武器弾薬に投資しなければならない。
最後に、革新的能力での優位を維持するため、電磁波、指向性エネルギー、超音波、電子戦争といった技術を育成する必要がある。
中国軍の近代化努力に対処する最善の方法は、中国の弱点に対する比較優位を高められる分野を日米共同で見出すことである。
その1つは海上戦で、日米はまだ初期の段階にある中国の対潜水艦戦力に対し、質的優位を保っている。潜水艦艦隊の拡充、新しいソナー技術、無人海中機などで海中での競争を強化すれば、中国は防衛的対潜水艦能力により多くの時間と資源を投入しなければならなくなる。このような競争戦略は今後10年の日米の防衛計画の枠組みとなるべきである。