生きていく道を決めていく2人
朝田家を悲劇が襲う。商社マンだったのぶ(今田)の父・結太郎(ゆうたろう、加瀬亮)が商談にいった、朝鮮からの帰りの船で亡くなった。さらに、石材店の主人の祖父・釜次(吉田鋼太郎)が倒れた石材によって右腕を負傷してしまう。
家計の柱を失って、のぶの母・羽多子(はたこ、江口のりこ)が思いついたのは、あんぱんを自宅で作って売ることだった。この町に風来坊のようにやってきては、パンを焼きながら釣りを楽しんではまたどこかにいってしまう、謎のパン職人・屋村草吉(阿部サダヲ)にパン作りを教えてくれるように頼むのだった。
屋村の得意のパンは、あんぱんだった。そして、屋村がふたたび列車に乗って他の土地に行こうとしていた時、駅に駆け付けたのぶが必死に頭を下げた結果、朝田石材店の一角に「朝田パン」が開業する。
第3週「なんのために生まれて」は朝田石材店の一角に朝田パンができてから8年が経った。のぶは高等女学校の最終5年。蘭子は引き続いて郵便局務め、メイコは高等小学校1年生となった。
嵩は、中学校の最終年5年。
のぶも嵩も将来何になるのか、はっきりとわからない。ふたりとも、成績は良くはない。しかも、嵩は漫画を描くことが楽しくて勉強が手につかない。
そんな時、学校の徒競走で「パン食い競争」が発案されて、朝田パンのあんぱんが使われることになる。競争には、男子だけで女子は参加できない。それでも、嵩に背中を押されるようにして、のぶも競争に出てみごと一等になる。
商品はラジオである。しかし、女子であることを理由にして、失格となり、繰り上げで一等になったのは、嵩の弟の千尋だった。
女子を理由にして、競争に参加できなかった小学生が、のぶが一等になったので、はにかむように笑うのだった。のぶは小学校の体育の先生になることを瞬間的に決めるのだった。
医院を開業している寛(竹野内)は、嵩と千尋に語りかける。
「何のために生まれて、何をしながら生きるのがか。何がおまんらの幸せで、何をして喜ぶのがか」と。
そんな時、嵩と千尋の母である登美子(松嶋菜々子)が離縁されて、寛の医院に戻ってくる。
養子にだした次男の千尋が、医者を継ぐことをやめて弁護士になりたいと言い出す。血をみるのが苦手だというのである。
登美子は、嵩をまず高知第一高校に入学させて、医者にするように提案する。どうして生きようと考えていた嵩は、母を喜ばそうと高知第一高校を目指す。
のぶは「小学校の先生になるために、女子師範学校を目指したい。学費は補助を受けてただなので家には迷惑をかけない」と、祖父の釜次(吉田鋼太郎)ら家族に頭をさげる。
次女の蘭子(河合)と末っ子のメイコ(原)ものぶと一緒に頭を下げる。蘭子は、柱にかかっていた亡き父のボルサリーノ型の帽子をかぶっていた。
