2025年12月5日(金)

デジタル時代の経営・安全保障学

2025年5月26日

 決済代行会社を検挙できれば、その顧客リストがオンラインカジノの利用者であることは明白である。

 アフィリエイトは、オンラインカジノへブログやSNS、ホームページなどを使って広告や勧誘を行う者を指すが、オンラインカジノが違法であるようにアフィリエイト行為は、「賭博幇助罪」や「賭博開帳図利幇助罪」にあたる。オンラインカジノは広告規制が厳しく、テレビや大手の広告媒体が使えないために個人ブロガーやYouTuber、SNS経由での集客が重要となっている。

 アフィリエイトの報酬は、業界サイト情報(典拠:iGaming Business Magazine 2019 Vol.15)を参考にした推計では、プレイヤー一人登録するごとに幾らというコストパーアクイジション(CPA: Cost Per Acquisition)方式では、入金額により一人5000円から5万円を得ることができる。紹介した人がカジノで負けた金額の何%を継続的にもらえるレベニューシェアー(Revenue Share)方式では、損失額の20%から40%、金額にして数千円から数万円だ。

 それらの方式を組み合わせた報酬体系もある。トップアフィリエイターともなると最大500万円超えということもあるという。

 アフィリエイトの押収資料からメールアドレスや実名、銀行情報までとれる可能性があり、オンラインカジノの利用者が特定されることになる。

巨大なオンラインカジノ市場

 警察庁が初めて行った「オンラインカジノの実態把握のための調査研究」(25年1月)では、オンラインカジノを利用したことがある人が約337万人に上り、掛け金の総額も1兆2423億円と推計されている。

 公営ギャンブルである競馬の年間売上約4兆円、競艇の約2兆円には及ばないものの、競輪の約1兆円を凌ぐ市場規模だ。推定利用者数でも競輪の約300万人を超えている。一人当たりの年間掛け金は、競馬が約57万円、競艇が約50万円、競輪が33万円に対してオンラインカジノは約63万円と断トツである。

 また、5月14日に一般財団法人スポーツエコシステム推進協議会が公表した「海外スポーツベッティングに関する調査」によると、2024年の日本居住者向けスポーツベッティング(違法スポーツ賭博)の市場規模は約6.5兆円と大きく拡大している。複数の海外スポーツベッティングサイトでは、日本の野球、サッカー、バスケットボール、テニス、ゴルフ、大相撲に加え、高校野球までもが賭けの対象とされており、そのほとんどが日本語でサービスを提供しているとのことだ。

 海外のオンラインカジノ事業者は取り締まれず、利用者も後を立たない状況を考えると、いっそのことオンラインカジノを合法化して国内市場を作った方が円の流出を抑え、国益にかなう。そして、その収益を国防予算(2025年度約8,6兆円)に回せば大半が賄え、自衛隊員の待遇も改善され、国民の理解も得られのではないだろうか。

オンライン公営ギャンブルは行われている

 ギャンブルも時代とともに流行りすたりがある。オートレースは、利用者が離れ年間30万人ほどになってしまい、年間1000億円の売上に過ぎない状況だ。公営ではないもののパチンコ・パチスロも立派なギャンブルだが、年々店舗数は減り続け、24年には約6500店舗と95年のピーク時と比べて3分の1以下となっている。

 遊戯人口も700万人を割った状況で、特に若者のパチンコ離れは顕著だ。ちなみに日本人向けに作られたオンラインカジノではパチンコもオンラインでできるようになっている。

パチンコもできる日本語対応している海外のオンラインカジノのサイト。パチンコもできる

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