汚職というほころびも
クルスク州をめぐっては4月以降、州政府の知事経験者ら元幹部が相次ぎ汚職容疑で拘束される事態が起きている。ウクライナとの国境に敷設した要塞の建設で詐欺行為を行ったというが、さらにクルスク州元知事で中央政府の運輸相だったロマン・スタロボイト氏が7月上旬、運輸相解任直後にモスクワ市近郊で自分の車のなかで銃によって自殺した状態で発見された。
理由は不明だが、スタロボイト氏は詐欺事件が発生した当時の知事だった。これらの事態はクルスク州へのウクライナ軍の奇襲攻撃を許した失態と深く結びついている。
クルスクをめぐる失態とスキャンダルは、プーチン大統領の顔に明らかに泥を塗った。そのような状況を挽回しようとした〝英雄〟であるグドコフ氏が命を失ったことは、ウクライナ侵攻を続けるロシアの行き詰まりを様々な角度から浮かび上がらせている。
空爆と制裁▶Amazon
