2025年12月5日(金)

World Energy Watch

2025年7月24日

 インドの人口は、2023年に中国を抜き世界一の14億4000万人になったが、名目国内総生産(GDP)は、依然として中国の4分の1以下だ。

 経済発展の状況は中国より10年以上遅れていると言われている。国民1人当たりの23年の消費支出額は、インド1493ドルに対し、中国4936ドルだが、15年前の10年の中国の消費支出額1597ドルは23年のインドよりも大きかった。

インド初のテスラの販売店(AP/アフロ)

 筆者は企業時代にはインドでのプロジェクトに取り組んでいたこともあり、また大学教員になってからもデリーとムンバイを何度か訪問した。

 訪問のたびにインフラの整備が進み街の様子が変わっているのだが、街中で物乞いの人たちを見かけるのは変わらない。その一方、エルメス、ルイヴィトンなどの高級ブランドの店があり、ドイツ製の高級車で乗り付ける人も多くいる、格差が大きい社会に見える。

 GDPは日本にほぼ並んだが(図-1)、アジア諸国の中での比較では、まだ生活水準は高くないと思われる。エアコンの普及率は、タイ44%、インドネシア36%、フィリッピン12%に対しインド8%だ。

 人口1000人当たりの自動車保有台数は、日本の約20分の1の26台しかない。そのインドの商業都市ムンバイで、米国の電気自動車(EV)メーカー・テスラが初の販売店を開き、7月15日にメディア向けにお披露目した。


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