数多くの浮世絵に描かれた神社
さて、日も傾いてきたのでそろそろ帰路に着こうかとGoogleマップで最寄り駅を探していると、近くに気になる神社を見つけました。蔦重ゆかりの場所ではなさそうですが、素敵なお茶屋さんも併設されているようなのでちょっと寄ってみることにしました。
ここは1300年を超えるご由緒をもつ石浜神社。建立されたのは聖武天皇が即位された神亀元(724)年とのこと。神社の公式サイトには、「江戸時代より数多くの浮世絵に描かれてきた」とあり、広重や國芳など名だたる絵師の作品が紹介されています。吉原の目と鼻の先にあるこちらの神社、蔦重もきっと訪れたに違いないと勝手に妄想を膨らませ、今回ご紹介させていただくこととしました。
お参りした後は、境内にある「石濱茶寮 楽」で、みたらし団子と抹茶をオーダー。炭火でふっくらと焼き上げた柔らかいお団子と優しいタレの甘味が、歩き回った一日の疲れをすっかり癒してくれました。
緻密な脚本と、豪華キャストによる熱演が話題を呼ぶ大河ドラマ『べらぼう』。この夏休み、蔦重ゆかりの地を訪ね、彼がべらぼうに夢を追って生きた時代の息吹をぜひ皆さんもその肌で感じてみてはいかがでしょうか。
※この記事は、2025年1月に取材し、ウェブマガジン「ほんのひととき」に掲載した記事を一部編集して再掲したものです。

