2026年1月10日(土)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年1月8日

 ただ、本業で現金を稼ぐ力(営業キャッシュフロー)はプラスを維持しているものの、それを遥かに上回る巨額の投資がキャッシュを削り取っている。25年第3四半期だけで設備投資と研究開発に567億元(約1兆1300億円)という膨大な資金を投じている。1~9月では1744億元(約3兆5000億円)。トヨタ自動車を上回る規模だ。

 ブラジル、ハンガリー、トルコ、マレーシア、ウズベキスタンなど各地の海外工場の建設に加え、BYDの弱点とされる自動運転の研究開発に資金が必要となった。

2026年は勝負の年に

 高成長を続けてきたBYDだが、25年はまさに転換点となった。中国市場では得意のプラグインハイブリッド車にブレーキがかかった。中国市場における圧倒的な支配力を武器とした収益モデルにも政府の規制が入った。自動運転競争で遅れを取らないためにも研究開発投資は積み増さざるを得ない。

 この状況下でいかにして成長を維持するのか。30年までに1000万台メーカーになるとの目標をどう達成するのか。答えは一つしかない。海外市場の開拓だ。

 前述のとおり、BYDは海外工場建設を一気呵成に進めている。現在の海外販売はほとんどが中国国内からの輸出だが、26年には複数の工場が本格稼働する見通しだ。

 販売面では好調な東南アジア、欧州の販売に加え、未開拓の市場でも成功する必要がある。日本もその一つだ。23年から始まった仕込みの段階を終え、ついに勝負の1年を迎えることになった。

 日本専用車「ラッコ」を武器にどこまで売上を伸ばせるのか。注目したい。

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