米国、欧州(欧州連合外の英国なども含む)、中国、日本の生産量、原油と石油製品の輸入量、その内中東からの輸入量を図-1に示した。石油製品の輸出量はマイナス表示だ。
米国は、多くの製油所が重質油を必要とするので輸入量も多いが、軽質油のシェールオイルを輸出しているので、輸出量が輸入量を上回る純輸出国だ。
日本の中東依存が目立つが、中国の中東からの輸入量は日本のほぼ3倍あり、数量の面では中国は大きな影響を受ける。輸入依存度が高い欧州、中国、日本の消費量と中東からの輸入量と現時点での原油と石油製品の備蓄量を図-2で比較した。
日本は消費量当たりの備蓄量は、放出後も欧州、中国を上回っているが、中東からの輸入量との比較では、欧中を下回る。危機の継続に対し極めて脆弱だ。
では、封鎖中に日本の船舶はホルムズ海峡を通ることが可能だろうか。今までに通過した105隻はどのような船舶だろうか。
ホルムズ海峡を通過した105隻
3月1日からホルムズ海峡を通過する船舶は大きく減少した。3月17日までに通過した船舶は105隻。図-3がその内14日までにホルムズ海峡を通過した21隻のタンカーの内訳を示している。
イラン産原油を積載した中国が関与する船舶などが通過したとされているが、大半の船舶は自動船舶識別信号(AIS)を切って通過しているので、確認が難しい。
湾内の数十の中国船は、AISの目的地情報に中国所有、あるいは中国船員を表示している。貨物を主体とする中国船11隻が3月15日までに通過している。
3月12日にAISで中国船と表示していたにもかかわらず破片に当たった船があった。巻き添え事故とみられているが、それ以降中国船の航行は抑制されていると報じられた。
サウジアラビア産原油を積んだギリシャのタンカー2隻がインドのムンバイに向け通過した。インド向けだったから通過できたのかは分からないとしている。インドの外相は「イラン側と対話を行っており一定の成果を上げている」とインタビューで語り、自信を見せている。
液化石油ガス(LPG)を積載したインド海運公社の2隻も許可され通過した。原油、LNG、LPGを積んだ22隻が待機中とされる。
UAEの原油を積載したパキスタンのタンカーが、イラン船以外では初めて位置情報を発信しながら、通過した。さらにトルコ船がイランの港湾を出航し通過したが、14隻が許可を待っている。
位置情報を発信しながら通過する船舶が現われたのは、イランとの間で安全な航行が保証されたからとみられる。


