2026年4月17日(金)

解剖:「大きな政府」を好む日本

2026年4月17日

大きな政府ではない道:市場を生かす条件整備

 市場を生かすとは、政府が責任を放棄することではない。むしろ政府の役割は、価格を直接操作することから、リスクが正しく伝わる制度環境を整えることへとシフトすべきである。

 内閣府・経済産業省の「GX推進戦略」によれば、今後10年間で官民合計150兆円を超える投資を呼び込み、エネルギー構造の転換を図る計画が示されている。長期契約の促進や送電網への投資は、民間の自律的判断を支える基盤となる。

 補助金に依存するのではなく、多様な選択が評価される市場環境こそが、危機への適応力を高める。過去の省エネ技術が日本産業の競争力となったように、今回の危機もまた成長の起点となり得るのである。

危機を構造転換の契機に変えるために

 中東情勢が突きつけているのは、エネルギー価格の一時的な高騰ではなく、危機をどう扱うかという政策姿勢そのものである。価格介入は短期的な安定には寄与するが、永続的な解決策ではない。むしろ、国民の危機感を減らすこととなり、気づいたらどうすることもできない「ゆでガエル」状態を引き起こしかねない。

 市場メカニズムと民間の適応力を生かす覚悟がなければ、エネルギー危機は繰り返される。そのたびに財政負担だけが積み上がる未来は避けなければならない。「守る政策」から「進める政策」へ。今回の中東情勢は、日本のエネルギー政策と産業構造の将来像を描き直す決断を迫っている。

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