アイスランドンのウェストマン島では、資源管理の成功により、マダラをはじめ様々な魚が水揚げされており、水産業が盛んです。新しい漁船や工場の設備で繁栄していることが冒頭の写真で分かります。アイスランド全体では、人口が2000年の28万人に対し、26年は39万人と約40%も増加しています。
水産資源が持続的になっているとその地域は発展を続けていきます。ウェストマン島を筆者が初めて訪問したのは91年でした。その頃は、ホテルは1件しかなく、街はさびれていました。今では、夏を中心に観光も盛んになっており、ホテルなどの宿泊施設や、スーパーなどもいくつかできています。
日本では海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用する「海業」を推進しておりますが、それは水産資源が豊かゆえに成立しています。働いている人たちが豊かなのは、人と街を見れば分かります。
日本とアイスランド漁業の似ている点
アイスランドと日本では、漁業において似ているところがあります。それは、ノルウェーを含めた他の欧州諸国は近隣諸国が近すぎて資源管理を協調することが不可欠なのに対し、自国で管理する裁量が大きいところです。
アイスランドにおいては、自国で資源をコントロールしやすい魚種が、カラフトシシャモ、マダラ、ニシンなどいくつかあります。日本の場合も、東シナ海や日本海の場合は、中国・韓国などの影響が避けられませんが、太平洋側の資源はサバをはじめ我が国次第の水産資源がいくつもあります。
ところが、この2国間には大きな差があります。それはアイスランドの水産産業は大きく発展を続け、日本とは対照的になっている点です。
筆者は4度ほどアイスランドの新聞にインタビューを受けて掲載されたことがあります。最初は今から15年以上前のことでした。
買付先のアイスランド企業の社長に、日本ではTAC(漁獲可能量)魚種が少ないことや、TACが設定されていても、大きすぎて全く意味をなさないことなどを話すと、非常に驚かれて「すぐマスコミを呼ぶから同じ話をして欲しい」と言われ、それが特集のような形で記事になったのです。
筆者は他にもノルウェー・デンマーク・オランダなどで同じように日本の資源管理の話をして、日本のような立派な国がなぜそんなことをしているのだと、非常に驚かれ同情されてきました。また、なぜおかしなことをしているのか? 疑問に思われてきています。その結果が、悪化が止まらず魚が消えて行く日本の海の悲惨な状況です。

