イラン国内では交渉推進に賛成する多数派と一切の協議を拒否する超保守派が対立。葬儀の最中、交渉を担うアラグチ外相に石が投げられる騒動もあった。
イランは海峡航行に当たり、指定するルートを通過するよう船舶に要求、対岸のオマーン領海を通る船舶は許さないとの姿勢を保持している。ガリバフ国会議長は「海峡を維持するか、(米国の攻撃に抗して)国民全員が殉教者になるかだ」と強硬姿勢を示し、自由航行を主張するトランプ大統領と対決してきた。
イランのこうした姿勢の背景には、米国とイスラエルによる軍事攻撃に耐え、ホルムズ海峡を封鎖して世界経済を人質に取ることでトランプ政権を追い込んだという「自負」がある。しかし「自負」は「過信」に変わりかねない。トランプ大統領を読み間違えれば、いつでも本格戦争に逆戻りしてしまう。
トランプとネタニヤフが会談へ
イランにとってなんとしても回避したいのは米海軍による海上封鎖だ。イランは覚書合意により、石油販売の制裁や凍結資産の一部が解除された上、3000億ドルという復興基金も設立される目途が付いた。だが、再び海上封鎖されると石油輸出による日銭が入ってこなくなり、たちまち経済的に困窮してしまう。
イスラエルのカッツ国防相は「イラン戦争に戻る用意はできている」と胸を張り、ネタニヤフ首相は「戦争は終わっていない」と強調した。首相は近く訪米してトランプ大統領と会談する予定だが、これに先立ってイランが大統領の暗殺を企てているとの情報をリークした。
大統領が再び首相の甘言を受け入れるのかどうか。戦争続行に政治生命を賭ける首相も必死だ。
