2026年8月17日(月)

トランプ2.0

2026年8月17日

中間選挙にどう影響するか

 問題は、米国におけるイスラエル支持のかげりが中間選挙に及ぼす影響だ。トランプ大統領は1期目当時から今日に至るまで、一貫してイスラエルに対し際立った肩入れをしてきたことで知られる。

 歴代米政権と比較しても異例ともいえる優遇や親密さを示してきており、これまで国際世論の反発を押して①エルサレムの首都承認②ゴラン高原におけるイスラエル主権承認③米国主導のパレスチナ・ガザ地区の再建構想などの政策を強引に進めてきたことはその象徴といえる。

 背景に、娘婿らトランプ氏の家族や政権幹部にユダヤ系要人が多いことや、重要な政治的支持基盤となっている「福音派」キリスト教徒が熱心なイスラエル支持を表明していることなどがある。

 しかし、11月に中間選挙を控え、米国民、有権者の間で対イスラエル不支持、ネタニヤフ批判が広がりつつあるだけに、トランプ氏にとっても、イスラエルに接近しすぎることは決して好ましいことではない。

 こうしたこともあってか、最近になって、両国首脳のこれまでの親密な関係にも隙間風が吹き始めたと伝えられる。去る7月28日、ネタニヤフ首相が急遽訪米し、ホワイトハウスで首脳会談が行われた際にも、会談終了後の恒例の共同記者会見なども行われず、米マスコミの多くが「大統領の対応そのものも、気乗り薄だった」と報じている。

 また、中間選挙の激戦州とみられるミシガン、ペンシルベニアなどの州では、イスラエル批判を強めるアラブ系有権者の動向が選挙結果を大きく左右するといわれるだけに、トランプ陣営としてもアラブ票取り込みにも神経を使わざるを得ない。しかも、24年大統領選の際、これら激戦州では、イスラエルによるガザ地区での残虐行為に対し、事実上これを黙認したバイデン民主党政権に不満を抱いた多くの有権者がトランプ支持に回ったことは記憶に新しい。

 今月4日、民主党連邦上院議員の予備選が行われたミシガン州でも、急進左派のアブドゥル・エルサイド氏が中道派のヘイリー・スティーブンス下院議員相手に、接戦の末、競り勝った。

 エルサイド氏はエジプト移民の父を持つアラブ系で、選挙戦を通じ、イスラエル批判を繰り返してきたほか、敗れたスティーブンス議員がイスラエル支持のロビー団体から巨額の寄付を受けてきたことも勝敗の分かれ目になったとみられている。

 このため、トランプ大統領としても、11月中間選挙に向けて、イスラエル、アラブ世界相手に、難しいかじ取りを余儀なくされることになりそうだ。

Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る