2026年8月17日(月)

トランプ2.0

2026年8月17日

 また、7月公表された「AP通信-NORC研究センター」合同世論調査によると、民主党支持者のうち、58%が「米政府はイスラエルを支持し過ぎている」と回答している。

 米議会、特に民主党議員の間でも“異変”が起こり始めた。去る7月15日、下院本会議で行われた33億ドルに上る対イスラエル安全保障援助法案審議では、出席した民主党議員のほぼ半数近い103人が反対に回った。 

 民主党内では、ガザ紛争以来、イスラエルを非難する進歩派の動きが活発化してきており、すでに今年に入り、中間選挙に向けた下院民主党予備選のうち、ニューヨーク、ニュ―ジャージー、コロラド、イリノイ、ペンシルベニア5州で、対イスラエル援助打ち切りを求めてきた候補者が再選めざす現職議員を破るなど勢いづいている。

「MAGA」派からも批判の声

 これに対し、共和党は1人を除く出席議員全員が同法案に賛成した。全米共和党員の60%も、対イスラエル援助の継続に支持を表明している。

 しかし、その共和党内でも、イスラエルに対する一枚岩の支持基盤に微妙な変化が出始めている。イスラエルに対してはこれまで、共和党保守派、特に「アメリカ・ファースト」を主導する「MAKE AMERICA GREAT AGAIN=略称MAGA」グループのほか、米南部に広がるキリスト教プロテスタント「福音派」信仰者たちが熱狂的に支持してきた。

 ところが、去る2月以来の対イラン作戦を契機に、対外非介入主義に立つ「MAGA」支持層の間で、イスラエル批判の声が上がり始めた。

 中でも話題を集めたのが、トランプ大統領と特別の親交があった保守系テレビ局「FOXNEWS」の人気キャスター、タッカー・カールソン氏、同局著名司会者メーガン・ケリー女史、マット・ウォルシュ氏の3人が、いずれも対イラン戦争を契機に大統領とたもとを分かったニュースだった。

 3人とも、これまでMAGA運動を支える論客として、機会あるごとにトランプ大統領とのインタビューや対談番組を通して、政権を支えてきたが、混迷する対イラン作戦のしわ寄せが市民生活に及び始めたことなどを受け、大統領批判に転じた。

 特にカールソン氏は、去る4月、自身の「ポッドキャスト」番組で、大統領について「政権に返り咲いて以来、真の国益が何たるかについて全く理解できず、国民を欺いてきた」「対イラン戦争は最初から、目的達成の戦略を欠いたまま、ネタニヤフ(イスラエル首相)に騙されてスタートさせた。この戦争は、『アメリカ・ファースト』の主張と真っ向から対立するものだ」などと酷評した上、「私は2024年大統領選で彼を(テレビ番組などを通じ)熱心に支援したことを後悔している」とまで告白し、大きな反響を呼び起こした。


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