2026年10月20日(火)

勝負の分かれ目

2026年10月20日

相次ぐドラフト候補のメジャー挑戦

 日本国内の高校卒業後にドラフト候補選手が米球界へ挑戦したケースは、25年1月にアスレチックスとマイナー契約を結んだ森井翔太郎選手(東京・桐朋高)が注目を集めた。契約金151万500ドル(約2億3000万~2億4000万円)に加え、学業を支援する教育費の補助もある。

 花巻東高校の佐々木麟太郎は米スタンフォード大に進学して2年間プレーした後、今年のメジャーリーグのドラフトでマーリンズから8巡目(全体235位)指名を受けて契約した。25年秋のドラフト1位で交渉権を獲得していた日本のソフトバンクホークスは争奪戦に敗れた格好だ。

 日本国内の大学にまで広げると、今年は慶應義塾大学4年で、西武の広池浩司球団本部長を父に持つ浩成投手(4年)が米球界挑戦を視野に入れると報じられている。スポーツ報知は、ヤンキース、ブルージェイズ、レンジャーズの3球団が有力視されると伝えた。慶大からは今年1月にも、常松広太郎外野手がカブスと契約している。

広池浩成選手(慶應義塾体育会野球部インスタグラムより)

 日刊スポーツによれば、仙台大学3年時の25年夏に日本代表入りした佐藤幻瑛投手はメジャー挑戦を視野に26年夏、全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン1に所属するペンシルベニア州立大に編入した。

 「直メジャー」かどうかはともかく、国内のアマチュアの有望選手の視界に米国が入り、最終的な目標としてメジャーリーグでプレーすることが明確になっていることは確かだろう。

これからが正念場

 織田投手の「直メジャー」挑戦の表明後、日本メディアでは、有望な若手選手の米球界への流出と、日本球界の空洞化への懸念を指摘する解説記事が相次いだ。

 しかし、現状では大半の選手が日本のプロ野球へ進む傾向は続き、まだまだ織田投手のようなケースは稀だろう。選手からみても、マイナーリーグのトレーニング環境や施設の充実は魅力的でも、日米の文化の違いや英語によるコミュニケーションの壁は依然として高いからだ。報道では、織田投手も会見で「NPBを通った方がメリットの方が多いことがあるかもしれない」と打ち明けている。

 実際、まだメジャーで成功している選手のほぼ全ては日本のプロ野球を経由している。

 しかし、日本球界にとって、本当の正念場はむしろ、これから訪れるとみたほうがいい。それは、織田投手や佐々木選手らが、日本球界を経ずにメジャー昇格を果たして、現地での活躍がニュースとして伝わってきた時だろう。彼らの“背中”を見た次代の球児たちにとって、「直メジャー」「米球界挑戦」が成功手段の一つとして認識され、選択肢として現実味を帯びてくるからだ。


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