フォーリン・ポリシー誌のエネルギー問題担当レポーター、キース・ジョンソンが3月26日付同誌ウェブサイト掲載の論説で、産油地域での中国の影響力拡大を描写し、米国は共生か、対決か、あるいは、その両方に備える必要がある、と論じています。
すなわち、中国は内政不干渉主義を重視してきた。しかし昨年、「イスラム国」との戦いを資金、軍事力で支援すると申し出て、この伝統を変えた。この行動は石油輸入の重視からきている。今後の米中関係を決める重要な問題である。
中国は一世代の間に原油自給国から大輸入国となり、中国指導部はどこからどのように石油を入手するか頭を悩ませている。中国は中東原油の重要性を理解している。
中国にとり石油輸送も心配である。中国の輸入石油の8割はマラッカ海峡を通っている。胡錦濤は、米国がこの生命線を切断するおそれがあると述べた。今、中国海軍の近代化・増強が行われ、ソマリア沿岸、アデン湾を海賊防止のためパトロールしている。2015年にはミャンマー経由のガス・石油パイプラインも開設した。
中国の外交政策変更は、米国の中東撤退と同時に起こっている。「イスラム国」問題、同盟国への石油供給確保があり、米国が中東から全面撤退することはない。しかし米国は中国と中東でどう向き合うか、決める必要がある。
米国は中国に「国際的役割を果たせ、フリーライドはするな」と求めてきた。平和維持軍派遣や海賊対策は、中国が「責任ある利害関係者」になりつつあることとして歓迎される。しかし、中東で中国の力が強くなれば、それが使われることもある。米国は中東で中国に行動の自由を制約されることを全く望まないだろう。