2023年1月30日(月)

科学で斬るスポーツ

2015年7月7日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

まず世界で認められた「TABATA」

 もう一つの日本発のトレーニングが「タバタトレーニング」だ。開発したのは、現在、立命館大学スポーツ健康科学部長の田畑泉教授。元は、1988年ごろに、群馬県立嬬恋高校の指導者として、黒岩彰選手など黒岩姓のスピードスケートの五輪選手を育てた入澤孝一・高崎健康福祉大学教授が考案し、実践していたトレーニングだった。

 それを理論付けし、英語の論文にしたのが田畑教授。その論文が欧米で評価され「TABATA Protocol」として急速に広がった。海外でブレークした形だ。

 田畑教授は「タバタトレーニングを、一言で言えば、高強度・短時間・間欠的トレーニング」という。

 通常の2〜3倍くらいの強度の大きい運動を20秒続け、10秒の休憩をはさんで、また激しい運動、休憩を繰り返し6〜8セットで疲労困憊(もう完全に運動できなくなる状態となる)まで繰り返す。正味の運動時間は4分以内と極めて短時間ですむ。

 「運動は自転車こぎ、腹筋などなんでもいい。この4分内でほぼ疲労困憊、ほぼ最大努力をすることが重要」と田畑教授は指摘する。

 タバタトレーニングは何に良いのか。

 最大の特長は、持久力に関係する「有酸素性エネルギー供給系(有酸素系)」、瞬発的な力を発揮する際に重要な「無酸素性エネルギー供給系(無酸素系)」の両方を同時に向上させることができるということだ。

 実は、有酸素系を鍛えるのは、有酸素系を刺激するトレーニング、無酸素系は無酸素系を刺激するトレーニングをしないと能力を向上できないと考えられていた。それがタバタトレーニングは、一つのトレーニングで両方同時に鍛えることができるという。ある意味、革命的な方法論なのである。


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