2024年11月24日(日)

ASEANスタートアップ最前線

2015年8月28日

好きなアニメは「スラムダンク」
チャーミングな彼は不眠不休で働き続ける

 Kelvin率いるFundingSocitiesは、TIAシンガポールのイベントで優勝し、9月8-9日で開催されるTIA Tokyoでもプレゼンをする予定だ。そこで、「日本のイメージは?」と聞いたところ、「ハイテクです」と即答(笑)。日本が、明治の頃より西洋列強を真似し、技術力をつけ、次第に自ら新しい物を開発し、そして世界をリードするようになった、という経済発展の歴史に感銘を受けているそうだ。日本のアニメも幼いころによく見たようで、好きなアニメは「スラムダンク」とのことだ。

TIA Tokyoのロゴマーク

 そんなチャーミングな一面を見せるKelvinだが、インタビュー当日、彼は眠そうであった(笑)。彼には聞いていないが、寝ていないのであろう。いや、寝れるはずがない。市場は残酷だからだ。似たようなアプローチで競合が次々に現れ、ものすごい勢いで市場を制圧してくる。Kelvinのように、一流企業やビジネススクールからスタートアップに参入する猛者も少なくない。一分一秒が惜しいのだ。そして、この猛者が戦ったとしても、勝ち残ることができるのは僅か一部に過ぎない、これが現実だ。

 Kelvinへのインタビューを終え、私は「ノブレス・オブリージュ」という言葉を思い出した。簡単にいえば、「選ばれし者は、より多くの義務を負わなければならない」というものだ。Kelvinのように、選ばれし者=エリートが、ソーシャルインパクトを起こすため、安定した道を選ばず、スタートアップという戦場のど真ん中でチャレンジしている。果たして、戦争の結末はいかにーー。ASEANのスタートアップ戦線は、ますます盛り上がるばかりである。

  
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