iRobot社の開発責任者のインタビューに続き、現在のロボット掃除機4種を、2回にわたり紐解きます。この試みは、それぞれの性能を細かく比較するのが目的ではありません。メーカーごとの違いが、どんな発想から出ているのかを探ります。
iRobot社の、「人類の掃除からの解放」「フロアケアの完全フリー化」のルンバに対し、各メーカーはどんな方法で、この分野に根を張ろうとしているのでしょうか?
iRobot ルンバ 980
iRobot ルンバ 980
●ロボット掃除機の標準スタイル
現在の家庭用ロボット掃除機は、全てルンバから始まりました。いろいろなところに入り込めるサイズ、運動性能が良い円形の形、隅のホコリをブラシで掻きだし吸い込む機構等々、今のロボット標準スタイルを作ったのは間違いなくルンバです。
現在、家具屋には「ルンバブル」という言葉があります。聞いたことがある読者もいらっしゃることと思います。「ルンバブル」とは「ルンバが使える」という意味です。主にはベッド下など、ルンバが入るかどうかギリギリの所で用いられる表現です。このこと自体、このサイズを見い出したことが、次の開発につながります。
ルンバの目標は、「人をフロアケアから解放する」という極めて高い最終目標。
このためiRobot社は、自分たちが提案したサイズがほとんどの場合OKされることが分かると、以後サイズ変更をせず、自動化への道をひた走ります。