2024年7月16日(火)

古希バックパッカー海外放浪記

2016年2月21日

 インドのチェンナイより「インドで家族をつくりました。みんな優しくしてくれて、感謝の意味を考えています……」

 インドのケララより「山岳地帯の雲の上にある街にいます。頭上の雲が飛行機の窓から眺める雲のようです。大迫力! そして時には13時間かけて下山したりと・・・。最近ギターを買って弾いて歌って踊ったり(インド人はこちらが攻めなきゃ攻めてきますので、歌って攻めています)しています。“楽をしない楽しい旅です”……」

 2015年8月 デリーより「これからヒマラヤを越え、中国ウイグル自治区へ行き、モンゴルに入りイヌワシ狩りのカザフ族に会いにゆき、馬を買い、大草原を遊牧民たちと生活したいです……もう人生、ワイルドにゆくことにしました」

 2016年1月 (メールの情報を集約すると)過去半年間の行程は、カザフスタン→イラン→アルメニア→南コーカサス→ジョージア(旧名グルジア)→ロシア連邦→フィンランド。イランで自転車を譲り受けイランからフィンランドまでは自転車大旅行である。そして1月下旬の時点で北極圏のフィンランドの最北の集落を目指して極寒の氷原で自転車を漕いでいる。

オジサン一人旅は何を目指すのか?

 引用がすこし長くなったがS君の旅の一端をご理解頂けたのではないでしょうか。私が渇望する無限に自由な世界をS君は生きている。そのために自分自身を律して“楽をしないで楽しむ”ためにストイックかつ貪欲に生きている。たしかに若いから何をしても楽しいのであろうという見方もあるかもしれないが、それでは若ければ誰でも同じように楽しめるであろうか。

 私も大学3年の時にヨーロッパからモロッコまで一か月くらいの貧乏旅行をしたことがある。それが私のおじさんバックパッカー旅の原点である。この学生時代の旅の半分は美しく楽しい思い出であるが、もう半分は外国語が話せず惨めに疎外感を噛み締める“無言の行”であった。それでは現在はどうであろうか。40年近いサラリーマン生活の大半を海外業務に従事したのでお陰様で英語や中国語など外国語は解するが、オジサンがどんなに頑張ってもS君の旅のようにワイルドで自由自在にはできないと寂しい限界を悟る。

 それでもS君と交流することで自分の旅の“あるべき姿”や“旅の規範”を思い描くことができる。いつの日かS君の世界周遊記を読むことが今から楽しみである。

北部水田地帯から山々を望む

  ⇒第2回に続く

  
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