圧勝した小池百合子新都知事
今般の都知事選では、自民党・公明党等の推薦を受けた増田寛也氏、民進党、共産党、社民党、生活の党の推薦を受けた鳥越俊太郎氏、自民党を割って出馬し政党の支援を受けなかった小池百合子氏ら1999年の16人を上回る戦後最多の21人が立候補した(図1)。
事前の予想では、自民党が分裂選挙となる一方、野党4党が統一候補を擁立できたことで、参院選比例区での政党別得票数(自公等295万票、野党4党248万票)から、鳥越氏が有利と見られたこともあったものの、野党統一候補として告示2日前に出馬を表明した鳥越氏は、事前準備不足に加えて「憲法改正阻止」「脱原発」等、都政というよりは国政に関する持論を展開するなどしたため、選挙戦後半には次第に失速した。また、各候補者ともイメージ戦略に終始し、抽象的な課題解決を唱えるのみで、猪瀬直樹氏、舛添要一氏と2代続けて任期半ばで辞職し、「2020年東京オリンピック・パラリンピック」「待機児童」「介護」「防災」等課題が山積するにもかかわらず都政の混乱が続く都政の安定を願う都民の失望を買うなど、終わってみれば、郵政解散時の「小泉劇場」を都知事選において再現させた小池氏が2,912,628票獲得し、次点の増田氏の1,793,453票に111万票余りの大差をつけて圧勝した。
実際、主要候補3氏の市区町村別の得票率の状況を図2により見てみると、62市区町村中、小池氏が55市区町村で勝利する一方(緑色)、増田氏は7市町村(水色)、鳥越氏に至っては勝利できた市区町村はなかった。
次に、市区町村別の得票率の分布を示したものが図3である。同図によると、都内ほぼ全域で小池候補の得票率が40%超(緑色+水色)となっていることが確認できる。