World Energy Watch

2016年11月23日

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トランプの再生可能エネルギー政策

 2012年には「温暖化問題は、米国の競争力を奪うため中国がでっち上げた」とツイートしたトランプも、選挙期間中のインタビューでは「温暖化が人為的な原因で発生していることも少しはあるかもしれない」と温暖化懐疑論の立場を少し後退させた。テレビ討論でツイートのことをクリントンから責められた際には、「そんなことは言ってない」と否定していた。

 パリ協定離脱を明言しているトランプが温暖化問題に取り組むことはないだろう。再エネにも否定的だが、米国で導入が進む風力、太陽光発電については、共和党議員の地元との関係も考慮することになるだろう。例えば、米国の風力発電は、テキサス州、アイオワ州など共和党が強い地区に多く、風力発電設備の80%は共和党が優勢な地域に設置されている。風力発電設備量米国2位のアイオワ州のグラスリー上院議員(共和党)は、選挙前に「もし、風力発電の税額控除をトランプが廃止しようとするならば、私の屍を乗り越えなければならない」と発言しているほどだ。

 実際に、風力発電の導入量が多い州は、今回の選挙戦でも、表-1が示す通り、トランプの得票率が高い共和党の地盤だ。現在米国では、風力、太陽光発電に対し税額控除による支援制度があり、この制度が米国での風力と太陽光導入を支え、米国を世界2位の風力発電設備、4位の太陽光発電設備導入国に押し上げた。今後徐々に支援額は減少することになっているが、2005年にブッシュ大統領が導入し、共和党が多数の議会で2015年末に延長されたばかりのこの制度をトランプがどう扱うかが、いま米国の再エネ関連事業者の最大の関心事だ。税額控除がなくなれば、再エネ設備導入が一挙に減速するとみられている。

 トランプは税額控除制度に関する発言を行っておらず、制度をどう考えるのか不透明だが、再エネを含むエネルギーに関する投資については、ビジネスマンとしてのトランプの思考法がありそうだ。

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