2023年1月28日(土)

Wedge REPORT

2017年2月9日

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視野に入れられている数年後の自動ブレーキ義務化 

 高齢者による事故が社会問題化していくことを受け、昨年11月に急きょ、関係閣僚会議を開催、安倍首相が高齢者の事故防止対策を強く要請した。

 国土交通省自動車局技術政策課の村井章展・車両安全対策調整官は「自動ブレーキの技術は障害物は認識するが、歩行者はまだ完全には検知できない。歩行者も認識できるなど全体の検知レベルが向上するのを受けて義務化も検討したい」と話し、数年先にはなりそうだが、義務化が視野に入れられていることがわかった。

 また、同省によると、軽自動車の台数は3000万台を超え、自動車全体のおよそ4割を占めるまでに増加し、その利用者の3割以上が60歳以上と高齢者の比率が高い。

 このため昨年12月に根本幸典国交政務官が軽自動車メーカー4社の担当役員を呼び、自動ブレーキをはじめとした先進安全技術の開発と普及促進を盛り込んだ事故防止対策を、2月までにまとめるよう指示した。防止対策は新車だけでなく、すでに販売した車に対しても警報装置を設置することなどを求められそうで、軽自動車メーカーは高齢者事故防止対策が待ったなしの最優先課題になっている。

 また、高速道路での逆走事故が絶えないことから、同省はカーナビ画面で運転手に警告するシステムの実現に向けた取り組みを始めた。衛星利用測位システム(GPS)の機能を活用して走行ルートを外れないようにし、車載カメラで進入禁止の標識を認識して逆走を防ぐことを想定している。カーナビメーカーなどから技術を公募中で、18年度からの運用を目指す。

 こうした官民の対策がすでに販売されている車を含めて実行されれば、高齢運転者に限らず、事故件数を大幅に減らすことができるだろう。

 しかし、大雪や豪雨などの悪天候ではどんなにセンサー技術が進歩しても、性能には限界があり自動ブレーキが作動しないことがあるという。最終的にはどのような気象条件でも走行できる自動運転車の開発が待たれる。事故は1件でも少ないほうが良いことは言うまでもない。まずは自動ブレーキ機能が搭載された自動車の普及が待たれるところである。それだけでも「登校中の小学生の列に自動車が突っ込み児童が死亡した」というような“惨劇“は大幅に減るはずだ。

  
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◆Wedge2017年2月号より

 


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