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2017年11月26日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

 コメをついて丸く延ばし、焼いて醤油をぬった「せんべい」は、東日本を中心に広くお茶菓子として愛されている。「塩せんべい」「焼きせんべい」などと呼ばれていたが、戦後は「草加せんべい」が一般名詞のように使われてきた。

山香煎餅の河野文寿社長

 日光街道2番目の宿場町だった草加宿(現在の埼玉県草加市)の名物だったという来歴もあるが、市内にたくさんあった煎餅店の主人たちが、高度経済成長期に百貨店の物産展などに進出、大いに「草加せんべい」の名前を浸透させたことが貢献したとされる。「せんべい」イコール「草加せんべい」というイメージが定着したわけだ。

 ところが、厄介な問題が起きる。外国産のコメを原料に新潟で焼いた「草加せんべい」まで登場したのだ。さすがに草加の煎餅店は危機感を強めた。協議会を作って「地域団体商標」として特許庁に申請、登録された。2007年のことだ。

 それ以来、「草加せんべい」は、本物のせんべいを示す、草加市が誇る地域ブランドになった。

せんべいチョコ

草加市:人口24.7万人。埼玉県東南部に位置し、東京都足立区と隣接するベッドタウンとして知られるが、小松菜や枝豆の生産なども盛んに行われている

  草加市内にはせんべいの製造・販売に携わる会社や店が60以上あるという。そんな中で最後発である1971年創業の「山香煎餅本舗」は、次々と斬新なアイデアを打ち出すことで、「草加せんべい」を発信し続けている。

 その1つが「草加せんべいの庭」。創業者で会長の河野武彦さんが建てたせんべいのミニ・テーマパークだ。木を使った建物にこだわり、建築家を探すところから始め、構想から10年をかけて2008年に完成した。 

 

 

 一角にある手焼き体験コーナーでは、予約なしでせんべいを焼くことができる。毎月第2土曜日には「子どもせんべい道場」を開催。参加するごとにスタンプがもらえ、15個ためると「職人」として山香煎餅の前掛けがもらえる。

 「おじいちゃん、おばあちゃんと孫が一緒に来て楽しんで焼き、食べる。草加せんべいが思い出と共に記憶に刻み込まれるんです」

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