World Energy Watch

2017年4月19日

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中国も韓国も依存するWHの技術

 米国政府が、中国企業によるWH買収を阻止する大きな理由の一つは、WHが世界の原発の約4分の1を建設していることに加え、WHの技術が中国、韓国の原発の基盤を作っていることもある。世界の既存原発の約半分はWHの技術を基にしていると言われほど世界の原発技術の主流だ。さらに、WHの加圧水型原子炉は、今後建設が予定されている世界の原発の多くを支えると見られている。技術に加え、もう一つの大きな理由は、WHが米国の原子力発電所の維持補修を行っており、自国の発電量の約20%を担う原子力発電所の大半の維持を中国企業に任せることに米国政府が大きな懸念を抱いているからだ。

 中国の発電量は世界一であり日本の約6倍の電力供給を行っている。電力の約4分の3は石炭火力発電所から供給され原子力が占める比率は3%に過ぎないが、大気汚染に加え地球温暖化の問題もあることから、中国政府は石炭火力を抑制し、低炭素電源の原発と再生可能エネルギーの開発に力を入れている。

 表-1の通り中国は現在36基の原発を保有し、その設備量は3300万kWに達するが、現在建設中の設備が21基、2300万kWあり、2020年時点では日本の設備量を抜く。さらに、計画中が41基、4700万kW、構想中が174基、約2億kWある。2026年には現在99基、設備量9900万kWを持つ世界一の米国を抜き、中国が世界一の原発保有国になると予想されている。

 中国は原発技術を、ロシア、カナダ、フランス、米国から導入し建設を行っていたが、2006年にWHの第3世代炉AP1000を4基導入することを決め、その上でWHから技術移転を受け、AP1000の改良型CAP1400を国産炉として開発した。さらに、フランス・アレバの技術を基に華龍一号を国産炉として開発した。現在建設中の21基の内AP1000は4基、華龍一号4基だが、今年から来年にかけ建設が開始される予定の41基の内24基をAP1000が、8基を華龍一号が占めると見られている。WHの技術が今後中国の原発の中心を担うことになる。

 韓国最初の商業運転を行った原発はWHのターンキー設備だった。その後WH、アレバの加圧水型を中心に導入を行い、1987年からWHと技術導入契約を締結し、APR1400を開発している。2016年には韓国電力公社の原子力部門を引き継いだ韓国水力原子力発電がWHと部品供給契約と技術協力契約を締結している。韓国の原発技術を支えているのもWHだ。

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