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2017年11月27日

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金子熊夫 (かねこ・くまお)

外交評論家・エネルギー戦略研究会会長

外交評論家。元外交官、外務省初代原子力課長、元東海大学教授。退官後エネルギー戦略研究会(通称EEE会議)を創設し、会長として現在も活躍中。主な著書は「日本の核 アジアの核」(朝日新聞社刊)、「小池・小泉『脱原発』のウソ」(飛鳥新社、11月6日発売)など。1937年愛知県生まれ。ハーバード大学法科大学院卒。

 「日米原子力戦争」と呼ばれるほど激しい交渉の末、ようやく条件付きで米国の同意を得ることに成功したものの、この同意を長期間包括的なものにするために、その後足かけ10年間日米交渉を行った。そうしてようやく88年に締結されたのが現行の日米原子力協定である。このような「長期包括的事前同意」方式が非核兵器国として単独に認められているのは、日本だけだ。ちなみに韓国は、朴槿恵政権時代に必死に対米交渉を行ったが、成功しなかった。

(出所)筆者作成 写真を拡大

日米協定の「2018年問題」
「余剰プルトニウム」の真相

 さて、88年7月17日に発効した現行の日米協定は、有効期限が30年となっているので、2018年7月16日に満期となるが、そこで失効するわけではなく、日米いずれかが6カ月前に特別の提案をしない限り、そのまま自動延長される仕組みになっている(協定第16条)。このような自動延長方式は他の条約や協定にもしばしば採用されており、例えば、日米安全保障条約もそうだ。同条約は1960年に発効し、最初の有効期間10年目の70年に自動延長されたまま、今日に至っており、「日米同盟」と言われるまでに強固になった日米外交関係の基盤として盤石の重みを持っている。

 原子力協定も同様で、日米友好関係が今後とも維持される限り、この協定が一方的に破棄されることはないし、日本側から破棄や改正を言い出すことはありえない。米国側から改正を言い出すことも予想されない。現に、今年10月に来日した米エネルギー省のブルイエット副長官は、「再交渉の理由はない」と明言し、自動延長する意向を示している(2017年10月18日付日経、読売、毎日新聞など)。

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