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Wedge REPORT

2017年11月27日

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金子熊夫 (かねこ・くまお)

外交評論家・元外交官

1937年生まれ。ハーバード大学法科大学院卒。外務省で初代原子力課長、国連環境計画アジア太平洋地域代表などを歴任。退官後、東海大学教授(国際政治学)。現在、エネルギー戦略研究会会長を務める。主著に『小池・小泉「脱原発」のウソ』(飛鳥新社)、「日本の核 アジアの核」(朝日新聞社)。
 

 

核燃料サイクルの確率にじっくり取り組め

 以上、再処理やプルトニウム利用など核燃料サイクル政策や日米原子力協定問題について、主に国際的視点から論じたが、冒頭で指摘したように、肝心の六ヶ所再処理工場が杜撰(ずさん)な設備管理で操業開始が遅れている状況は誠に遺憾であり、同工場を経営する日本原燃は猛省し、一日も早く改善しなければならない。せっかく日米原子力協定上のハードルは無事クリアできる見通しが立ったのだから、この好状況を無駄にせず、日本原燃は心機一転、安全に対する意識を抜本的に改め、原子力規制委員会と協力して、技術問題の早期解決に全力を尽くしてもらいたい。

 最後に一言。核燃料サイクルの確立は、国の長期的な課題であって、いたずらに目前の事象に一喜一憂してはならない。また、「もんじゅ」廃棄後も、高速増殖炉の開発計画は国として堅持しており、今後、フランス、米国など関係国との協力関係を含めて、引き続き着実に対処していく必要がある。性急に結果を求めて「角を矯(た)めて牛を殺す」の過ちを犯すべきではない。畢竟(ひっきょう)エネルギー安全保障は国家百年の計であり、資源小国、技術立国という原点を常に忘れずに、じっくり腰を据えて取り組む姿勢が何よりも肝要である。

  
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◆Wedge2017年12月号より

 
 


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